飛翔 新時代 感謝と覚悟を胸に

理事長所信


はじめに

1950年、戦後間もない未だ混沌とした状況の最中、三本木博先輩をはじめとする先輩諸兄が日本の未来や函館の未来を真剣に考え行動し、函館青年会議所は設立されました。それ以来「明るい豊かな社会」の実現に向けた数多くの先輩諸兄のご尽力のもと、今年度、函館青年会議所は創立70周年を迎えることができます。

昨年、天皇陛下が譲位なされ皇太子殿下が新天皇として即位し、元号が「平成」から「令和」へと代わり、創立70周年を迎える本年は東京オリンピックの開催や5Gネットワークの実用化など、新たな時代の到来へと期待が高まる節目の年ともいえます。偶然にもこの時代に函館の街に生まれた私たちは、青年会議所に入会し、経歴は違えども志同じくする同士が出会い、同じ故郷を持つものとして街のために活動しています。私はこの仲間に出会えた奇跡や、70周年という記念の年を函館青年会議所の一員として共に活動できることを心から誇りに思い、感謝しています。しかしながら、今の私たちは本当に函館の未来を創っていくという覚悟を持っているでしょうか。私たち責任世代が今の自分の目の前の責任から逃れ、自分たちさえ良ければ良いという世の中になっているように感じます。そんな背中を見て育つ子どもたちは、周りを思いやれない自己中心的な大人に育ってしまうのではないでしょうか。家族のために、自分のために、仲間のためにと考えるのであれば、もっともっとこの街の事を考えていかなければなりません。今考え、行動する事が必ず未来の函館につながると信じて私たちは活動してまいります。

本年は先輩諸兄が長年培ってきた、そして青年会議所の三信条でもあります『修練』『奉仕』『友情』の精神をしっかりと引き継ぎ、古き良きものを継続しながらも、新しい時代には柔軟な対応をし、時には変化しながらも紡いでいくという確固たる気概をもって行動していきます。

感謝から未来への覚悟

函館青年会議所は1950年に創立し今年で70周年を迎えます。先輩たちが『明るい豊かな社会の実現』の理念のもと私たちの生まれたこの日本国、そして函館を想う精神は私たちに今もなお脈々と引き継がれています。先輩諸兄がその想いを代々継承してくださったおかげで、今の私たちが活動できている事を決して忘れてはなりません。私たち世代がこの街の未来を真剣に考え行動していかなければならないのです。そして、この函館青年会議所を未来永劫に素晴らしい団体にしていくための確固たる覚悟を持ち、次の世代へと引き継いでいかなければなりません。

会員の拡大

函館青年会議所が発足してから変わらず存在し続ける会員拡大の担いは、私たちがこの先も地域のために活動していくうえで必要不可欠であり、ここ何年も続いている一番の課題といっても過言ではありません。1950年の当時を振り返ると、今とさほど変わらない68名の正会員からはじまり、全盛期では200名を超える志を同じくする仲間とともに、時代背景や情勢は違えども地域のために活動してきた函館青年会議所において、この問題は創立70周年を迎える今だからこそ原点に立ち戻り、向かっていかなければならない問題として捉えています。青年会議所活動があるから仲間が集まるのか、仲間がいるから青年会議所の活動が行えるのか。今の私にはその答えを持ち合わせることはできてはおりませんが、私の好きな言葉を引用すると「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」のように、まずは私自らが先頭に立ち、一人ひとりが拡大意識をもてる基盤をつくり、全メンバーが一丸となった会員拡大に取り組んでまいります。同世代へ夢を語り、地域の未来を本気で考え、行動する同志を一人でも多くこの地域に増やすことで友情の輪を拡げることができたなら、これほど力強い運動はないのではないでしょうか。

切磋琢磨し歩む仲間づくり

街の事を考え、私たちの未来、そして函館青年会議所を80周年、90周年、100周年と継続させていくために、まずはメンバーが青年会議所の理念や、基礎をしっかりと再認識し、青年会議所でしか得られない友情をしっかりと培い、メンバーが一丸となり個々の能力や意識を変革させることが重要であると考えます。青年会議所は「まちづくり」の組織です。その「まちづくり」には必ず人の存在が必要であり、人の力なくして街の発展はありません。だからこそ、「まちづくり」に欠かせない「ひとづくり」をしっかりとしていくことは組織としての責務であり、地域の未来に対しても急務の課題であると考えます。日々の活動を通して仲間と切磋琢磨していくなかで、一人では決して得られない成長を得ることができるのです。人は人によってしか磨かれず、人としての力と心を磨きあえる環境が青年会議所であると考えています。函館青年会議所の内部を強化することで地域のための活動ができるようになるのです。

組織の中の屋台骨

これまで函館青年会議所が70年の永きにわたり、効果的な運動を維持、継承してこられたのは、規律正しい組織運営と能動的な広報活動の結実であるといえます。当たり前のことを当たり前に行うほど難しいことはありませんが、一年間休むことなく継続的に活動する姿勢と、受け継がれてきた伝統の継承を引き続き行わなければなりません。函館青年会議所が地域のリーダーとしての役割を果たしていくには、組織としての理念とメンバーそれぞれの志を常に高く掲げ続け、活動や運動を通して対内外に模範となる姿を見せることで、存在や運動に共感を得続ける必要があります。また、時には他の青年会議所や他の団体とも協力することで、より良い活動につながる事になるでしょう。JAYCEEとして、市民として、親として、人として、共感と賛同を得られる組織づくりに取り組んでまいります。

未来の函館を思い描く

2030年には函館の人口は20万人を割るとされており、漠然とした不安と焦燥に駆られる中で、本当に今のままで良いのだろうかと自問自答を繰り返しながら過ごしている人は多いのではないでしょうか。しかしながら、私たちはどこかで人口減少は仕方がないと諦めてしまってはいないでしょうか。10年後、20年後の未来を少しでも動かすことのできる今があるなら、精一杯もがき続けるのが私たちの使命です。私たち責任世代は自分の子どもの将来を憂い、函館に住んでいても先がないから都会へ出て行った方がいいという気持ちと、函館に残って欲しいという気持ちの板挟み状態にあります。私は3年前に二児の子を持つ親となり、函館の未来を真剣に考えるようになりました。この街の未来を創っていくのは間違いなく子どもたちであり、未来の人材育成なくして未来は語れませんが、私たち自身が函館という街に誇りを持ち、この地域は素晴らしいものだと思い、伝えていけなければ何も始まりません。子どもたちに私たち大人の背中を見せ、函館だからできないのではなく、ここから何事もできるということをしっかりと伝えていきたい。いつか自分の子どもが必然的に青年会議所に出会い100周年を迎え、街のことを想い一生懸命に活動する姿を夢見て邁進していきます。

青年会議所だからこそできる政策

社会や政治に不平不満を述べるのは簡単なことではありますが、それだけで私たちが住み暮らす街が良くなるわけではありません。私たち市民が地域を想い、声を上げ、行動していくことが必要不可欠でありますが、小さな声だけでは目に見えた効果が出ないことも現実です。だからこそ必要なのがその声をいかしていただける「政治家」ではないでしょうか。私たちは地域の先導者として地域の声に寄り添い、地域の代表者である者の考えを知り、現状に満足することなく学び、関心がなければ喚起を促し、移り変わる時代の中で先を見据えたまちづくりを展開、提言していくことで、明るい豊かな社会へと地域発展に寄与できる存在となっていかなくてはなりません。しかしながら、近年の入会年度の浅いメンバーからすると政策提言など机上の空論でしかないように感じてしまっているのではないでしょうか。函館青年会議所がなぜこの地域に必要なのか、その存在意義をしっかりと把握し、まずは私たち自身が確固たる答えを持ち、真剣にまちづくりを考える必要があります。そして政策提言という堅苦しい表現でなくとも、若者や子供たちと触れ合うことで見えてくる未来もあるのではないでしょうか。

私は青年会議所に入会し、様々な出会いや経験、学びをさせていただきました。その中で、世代に関係なく私たちの街を良くしていきたいという想いは同じであるにもかかわらず、想いの共有や議論できる場が足りないと感じています。青年会議所のつながりを駆使し、官民学がしっかりと連携しあい、年齢や立場に関係なく函館の未来について議論する場を創出していきたいと考えています。

むすびに

この街の未来は私たち責任世代、そして子どもたちに託されている。

『誰かがやるだろう、自分たちが動いたところで何も変わらない』もしもこれが当たり前に過ぎてしまうのであれば本当に函館はなくなってしまうだろう。私たちが真剣にこの街の未来を考え、行動することでその熱をどれだけ周りに伝え、伝播させていく事ができるかが問われています。

人は一人の力では生きていく事はできない。多くの人の支えがあって生きていけるのです。ただ一人では生きていけませんが、世の中を動かすのはいつの時代も最初は想いをもった一人の人間からである。この函館青年会議所から沢山の志をもつ人間が育ち、70周年という節目の年にメンバー一人ひとりが本当の意味でつながり、この街を素晴らしい地域にしていけるよう邁進してまいります。